最近になって注目を集めているフードデリバリーサービスの「Uber Eats(ウーバイーツ)」は、サービスの内容だけではなく、稼げる仕事としても注目されています。
ですが、「本当に稼げるのか?」「安定しているの?」などといった不安や疑問も多いことは事実で、仕事として選ぶ場合は、そのシステムや内情を事前に理解しておくことが大事です。
ここでは、Uber Eatsの特徴やシステム、また、世間からの評判などから、
- Uber Eatsが稼げないとされている理由
- Uber Eatsと他のフードデリバリーサービスとの違い
これらのことについて、検証や解説をしていきます。
Uber Eats(ウーバーイーツ)の仕組み
稼げる稼げないを検証する前に、まずは、Uber Eatsの基本的なシステムや特徴を理解することが大事です。
Uber Eatsは一般的な会社員や、パートタイマー・アルバイトとは、根本的にシステムが異なるため、まずはこのシステムを理解しておきましょう。
個人事業主として仕事を受ける
これがUber Eatsの配達員(以下配達パートナー)として働く大きな特徴であり、ある意味で報酬システムの肝ともいえます。
個人事業主として仕事を受けるということは、「企業と労働者」といった関係性ではなく、あくまでも「企業と個人」の関係性になるため、時給や固定給といった概念はありません。
そのため、配達パートナーとしてUber Eatsから仕事を受ける際は、「配達1件に対しての単価」が配達パートナーとして得られる報酬となります。
報酬システムは複数の要素で構成
Uber Eatsでの報酬は複数の要素によって構成されています。
- 基本料金
- インセンティブ
- サービス手数料
これらの要素によって構成されており、「基本料金+距離料金+インセンティブ-サービス手数料」が計算式になります。
これらの要素はさらに細分化することができるため、以下ではこれらの要素についてさらに詳しく解説していきます。
基本料金
基本料金とは報酬全体のベースになる要素ともいえ、飲食店で料理を受け取った際に発生する「受け取り料金」、料理を届けた際に発生する「受け渡し料金」、さらに配達距離に関して発生する「距離料金」、これら3つの項目によって基本料金は構成されています。
受け取り料金、受け渡し料金、距離料金、これら3つは配達するエリアによって単価が異なり、距離料金に至っては距離に応じても金額が変動します。
以下は代表的な都市のエリア別単価になっています。
- 東京・埼玉・千葉 265円
- 横浜・川崎 130円
- 大阪・京都・神戸 136円
- 東京・埼玉・千葉 125円
- 横浜・川崎 120円
- 大阪・京都・神戸 105円
- 東京・埼玉・千葉 60円/1㎞
- 横浜・川崎 60円/1㎞
- 大阪・京都・神戸 60円/1㎞
このように配達するエリアによって単価が異なります。
例えば東京で1kmの配達をした場合「256円+60円+125円=441円」が1件に対する基本料金となり、これが大阪の場合だと「136円+63円+45円=244円」となり、エリアによる差額が197円となります。
インセンティブ
インセンティブは上記の基本料金に追加される特別な報酬であり、こちらもエリアや環境、時間帯など、さまざまな項目が用意されています。
中でも代表的なインセンティブが、「ブースト」「クエスト」これらの2つの項目です。
- 単価に掛け算される数値
- 数値は人や環境・時間帯などで変動
- 目標を達成した際などに発生する追加料金
ブーストはさまざまな要素によって変動する数値を、基本料金に掛け算することで追加される料金です。
数値そのものは1.1~と、そんなにも大きくはありませんが、例えば東京で1㎞の配達を1件こなした際、ブースト数値が1.1の場合は「441円×1.1」の計算で報酬が支払われます。
クエストは、目標を達成した際に支払われる追加報酬であり、例えば「何時までに●●件の配達を達成すれば追加で〇〇円」などといった場合に支払われます。
サービス手数料
サービス手数料は報酬から差し引かれる金額であり、こちらの場合は「東京・埼玉・千葉は10%」「その他エリアは5%」がそれぞれ報酬から差し引かれます。
- 個人事業主として仕事を受ける
- 配達単価はエリアなどによって異なる
- 複数の変動要素やインセンティブがある
Uber Eats(ウーバーイーツ)は稼げないって言われる理由
報酬システムやフードデリバリーサービスそのものの需要などから、Uber Eatsは世間から注目されているサービスであることに間違いありませんが、中には「Uber Eatsでは稼げない」といった意見も多数あるようです。
以下からは、「Uber Eatsでは稼げない」といった理由について解説していきます。
配達に時間がかかっている
配達1件に対して報酬が発生するため、単純に「数をこなせばより多くの報酬を得ることができる」といえます。
ですが、逆に1件の配達に時間がかかってしまうと、その分時間のロスが増えてしまい、配達回数を増やすことができません。
例えば、1件当たりの配達報酬を400円と考えた場合、1時間で3件配達すれば時給換算で1200円になりますが、これが2件になってしまうと800円になってしいます。
インセンティブを使えていない
Uber Eatsの報酬はさまざまな要素によって構成されています。
そのため、そのさまざまな要素をしっかりと理解し、それらを上手く活用しないと、中々思ったように稼ぐことができません。
Uber Eatsでの報酬を上げるのに最も効果的なことが、ブーストやクエストといった追加報酬を上手く使うこととされており、例えばブーストであればランチタイムやディナータイムなどの、配達需要が高い時間帯などが発生しやすいです。
ブーストがあるとないでは、報酬のトータル的な金額が大きく変わってくるため、効率的な配達を行うことに加え、ブーストやクエストが発生しやすい時間帯を狙うことが、高額報酬を得るひとつのポイントだといえるでしょう。
- 配達に時間がかかっている
- インセンティブを使えていない
Uber Eats(ウーバーイーツ)で稼げない人の特徴
Uber Eats配達パートナーは、報酬の仕組みをしっかりと理解し、配達件数をこなすことで稼げるようにはなっていますが、それでもまだまだ稼げない方は多くいるようです。
ここからは、これまでの情報を踏まえて、Uber Eatsで稼げない人の特徴を見ていきましょう。
目標設定が曖昧
例えば、漠然と「月に○○万円稼ぎたい」と思って、何も考えず配達をしても目標とする金額に及びません。
目標をしっかりと設定し、それを達成するためのプロセスを経て、初めて目標金額やそれ以上の報酬を得ることができます。
目標設定の方法をわかりやすくいえば、住んでいるエリアや活動するエリアの平均時給や最低賃金を目安にすればわかりやすいです。
例えば、そのエリアの最低賃金が時給で800円、平均時給が1000円とし、配達単価を400円とします。
1時間あたり2件の配達で終わればUber Eatsの報酬も最低賃金に800円になりますが、これを3~4件にすれば、1時間あたりの報酬が1400円~1600円となるので、平均時給を大きく上回ります。
このように、現実的な可能な目標設定とプロセスがあれば、上手く稼ぐことができますが、これらを曖昧にしてしまうと一般的なアルバイトよりも稼げなくなってしまいます。
エリアや時間帯による需要の違い
Uber Eats配達パートナーは、一般的なアルバイトのように勤務時間に応じて報酬が発生するわけではないので、配達依頼を受注して初めて仕事が発生します。
ですので、いくら目標をしっかりと立て、また計画を立てたとしても、配達依頼がないことにはどうしようもありません。
これはUber Eatsに限らずデリバリーフードサービス全体にいえることで、エリアによっては稼げない地域もあるため、配達パートナーとして仕事をする場合は、そのエリアの会社の数や、エリアの特徴などをある程度知っておくことがポイントといえるでしょう。
また、Uber Eatsは飲食店の料理を届けることが仕事の目的であるため、時間帯によっても配達需要が異なります。
例えば、お昼時や夕飯時であれば、配達の需要が高まりますが、それ以外の時間帯は配達依頼が減ってしまいます。
- 目標設定が曖昧
- エリアや時間帯による需要の違い
Uber Eats(ウーバーイーツ)は前より稼げないのか?
「Uber Eatsは前より稼げない」といった意見を最近よく目や耳にしますが、これは単価改定が大きく影響しているといえます。
つまりは、配達パートナーの報酬単価が以前と比べて下がってしまったということであり、このことが影響して以前よりも稼げなくなった配達パートナーもいるようです。
以下は東京においての単価改定前と後のデータです。
- 受け取り料金 300円→265円
- 受け渡し料金 170円→125円
- 距離料金 150円→60円
このようになっています。
これを1件1㎞の配達で考えた場合、改定前が1件あたり620円となり、改定後では1件あたりが441円となっているので、その差額が179円となり、これを1時間3件配達をこなすとすると、時給換算で537円という大きな金額になります。
ですが、これは単純に単価だけが引かれただけでなく、サービス手数料も改定されており、以前であれば35%引かれていたところ、現在は10%となっているため、単純に179円がそのままの差額になることはありません。
- 改定前 620円に対しての35%=約213円の手数料
- 改定後 441円に対しての10%=約44円の手数料
となるので、実際の1㎞配達の1件あたりの単価は改定前で「620円-213円=407円」、改定後で「441円+44円=397円」となるので、そこまで大きな差ではないといえます。
Uber Eats(ウーバーイーツ)と出前館だとどちらが稼げる?
Uber Eatsと同じようなフードデリバリーサービスといえば、「出前館」も有名ですが、Uber Eatsと出前館では、どちらの方がより稼げるのかも気になるところです。
出前館の報酬システムは?
出前館はUber Eatsとは違い時給制度を採用しています。
そのため、Uber Eatsとは違い安定した給料を得られることが大きな特徴といえます。
また、一般の雇用と同じように保険制度もあるため、安定・安心を求めて仕事がしたい場合は、出前館の方が向いているといえるでしょう。
気になる出前館の給料ですが、バイクを利用した配達の場合、時給は1050円からとなっています。
出前館業務委託配達員
アルバイトとして働くケースが多い出前館ですが、出前館で「配達員登録」することで、業務委託として出前館から仕事を受けることもできるようです。
近年のフードデリバリーサービスの需要増に伴って、業務形態を一部変更しそれに対応した形ですが、現在も積極的に業務委託配達員の募集を行っているようです。
2021年1月時点での業務委託配達員が行える配達エリアは、全国12都市となっており、エリアそのものは限られているようですが、今後の需要増によってはエリアも拡大することが予想できます。
現在公開されている配達単価ですが、こちらもUber Eatsと同様にエリアに差があるようですが、その単価の高さに特徴があります。
- 東京・千葉・埼玉・神奈川 715円
- 宮城・愛知・大阪・福岡 660円
このようになっており、単価だけを見ればUber Eatsよりも高いことがわかります。
ですが、出前館の場合は距離による料金が発生せず、上記の金額が一律となっており、また、業務委託配達員もまだまだ活動できるエリアが限られているので、単価だけを見て単純に「Uber Eatsよりも稼げる」とは言い切れないことも事実です。
エリアや需要によって異なる
Uber Eatsか出前館、どちらの方が稼げるかは、活動するエリアやそのエリアの需要によって大きく違ってくるといえます。
例えば、いくら出前館の方が単価が高く出前館で稼ぎたくても、そのエリアに対応していなければ仕事をすることができません。
また、単価が高いということはそれだけライバルとなる業務委託配達員も多くなるため、仕事が分配されてしまってはトータル的な金額が高くなりません。
Uber Eatsか出前館、どちらが稼げるかは、活動するエリアや需要によって大きく異なるため、ある程度事前調査した上で判断するのがポイントといえるでしょう。
まとめ
ここでは、Uber Eatsの報酬システムや特徴などから、Uber Eatsが稼げるかどうかの検証を中心に解説しました。
単価の高さは重要ではありますが、いかに配達件数を多くするか、いかにさまざまな要素を上手く活用するかで、稼げるかどうかが決まってくるといえます。
報酬システムをしっかりと理解し、現実的で具体的な目標設定をしっかりと行い、計画的に仕事に取り組んで納得できる報酬を得られるように心がけましょう。
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